α、+α(くらもちふさこ/集英社)
これは、そうとうスゴい。
構成についてはあんまり詳しく書かないほうがいいと思うので、ここでは触れないけれど、こういう独創的な作品を作り出せるというのは、天才的な才能だと思う。
2つの巻は、「α」の次に「+α」という題名にはなっているけれど、実体は、「追加エピソード」のような補足的なものではなく、陰と陽のように表裏一体のもので、お互いが揃って初めて一つの完全な作品になるという、すごく芸術的な作りをしていた。とても好みの物語だ。
【名言】
「そりゃあ確かに私は、おべっかしたり、心にもないこと言うし、体裁屋で。
・・・・・
『そんなことないよ』とか返してくれないですね、やっぱり。
いいですけど、べつに。」
「終わり?」
「世話になってる人の陰口たたいたり・・
嫉妬
ピアスの話し聞いて、三人の仲の良さに嫉妬です」(「+α」p.104)