Harry Potter and the Philosopher’s Stone


Harry Potter and the Philosopher’s Stone(J.K. Rowling/Bloomsbury Pub Ltd)

登場人物のキャラクターが単純な人ばかりで、ものすごくわかりやすい。いくらなんでも、そこまでわかりやすい悪役や、ドジなヤツはいないだろう、と思うけれど、このぐらいシンプルだからこそ、物語の面白さがストレートに伝わってくるんだろうという気がする。
話しの展開も、そんなに上手い具合に物事が進んでしまうのか、とびっくりするぐらい直球なのだけれど、それが結構、読んでいて気持ちいい。子供の頃にマンガを読んでいた時も、確かにこういう楽しさを感じていたんだと思う。
魔法の学校の描写がとても詳しくて、そこでの生活の雰囲気が、細かいところまでよく伝わってくる。この、別世界に自分が入り込んでいるような感覚になれるのは、ファンタジーとしてとても良く出来ているということなのだと思う。
「Platform Nine and three-quarters(9と4分の3番線ホーム)」とか、「Bertie Bott’s Every-Flavour Beans(あらゆる種類の味がするお菓子)」とか、そういうネーミングのセンスはかなり好きだ。舞台がロンドンというのも、作品の空気にぴったりと合っていて、いい。
「指環物語」のような正統派ファンタジーと比べると、だいぶ現実世界に近いし、壮大さという点では劣るところもあるけれど、その分、親しみやすく、多くの人が楽しめる物語だと思う。
【名言】
‘Hmm,’ said a small voice in his ear. ‘Difficult. Very difficult. Plenty of courage, I see. Not a bad mind, either. There’s talent, oh my goodness, yes – and a nice thirst to prove yourself, now that’s interesting… So where shall I put you?'(p.90)
In a rush of fierce joy he realised he’d found something he could do without being taught – this was easy, this was wonderful.(p.111)
But from that moment on, Hermione Granger became their friend. There are some things you can’t share without ending up liking each other, and knocking out a twelve-foot mountain troll is one of them.(p.132)
ソーシャルブックシェルフ「リーブル」の読書日記