ONE PIECE スリラーバーク編


ONE PIECE 46~50巻(尾田栄一郎/集英社)

46巻~50巻の、スリラーバーク編。
タッチが変わって、線が太く、コントラストが強い絵になっていて、独特の雰囲気だった。
前回の「水の都」編ではラスボス戦の幕切れがあっけない感じだったのと対照的に、今回は、ラスボスの迫力と強さが圧倒的だった。ここまでのとんでもない戦力差をひっくり返していく爽快感は、かなり大きい。
冒険マンガでは、連載が進むうち、出てくるキャラの強さがどんどん際限なく強くなっていってバランスが破綻してしまうことがよくあるけれど、「ONE PIECE」はそういうインフレを起こすことなく、きちんとキャラの階級や懸賞金に見合った強さに落ち着いている気がする。
欄外のコラムでの、作者と読者とのやりとりで明らかになる、「○○巻で出てきたキャラが、○○巻でも出てきていますよね?」というような、隠しネタがこれでもかというぐらい満載なところにシビれる。こういう細かい仕掛けは、作品に対する作者の愛情が感じられていい。