ドゥブロヴニクは、「キレイな街」というテーマを与えられて、そのまま絵に描いたような、空想的世界に近い美しさの街だった。
青い海を背景に、白い壁とオレンジ色の屋根瓦で統一された家並みが軒を連ねていて、その一つの街が500m四方くらいの正方形の城壁の中にすっぽりと収まっている。どこを切りとっても、絵葉書の写真になりそうな街だ。
旧港のあたりも、港町らしい風情がある。この港からは、すぐ近くにあるロクルム島までの船が出ていて、新港からは、アドリア海を挟んだ対岸にあるイタリアのバーリと往復するフェリーが出ている。
この街は、夏にはリゾート地としてヨーロッパ中から観光客が集まって、メインストリートであるプラツァ通りは渋谷のスクランブル交差点のような賑わいになるらしい。
けれど、訪れた3月はオフシーズンのために人もまばらで、だいぶ閑散としていた。それでも、街の美しさには何の影響もなく、泳ぎに来たわけではない自分にとっては、むしろとても過ごしやすくて、いい時期に訪れたと思った。