ドゥブロヴニク(part2/3)

 
ドゥブロヴニクは、街全体を城壁が囲っていて、その壁の上を一周出来るようになっている。
ドゥブロヴニクの旧市街には二つの色彩があって、下から見た時にはアイボリー色の壁しか見えないのだけれど、上から見ると、今度は、屋根瓦のオレンジ色で統一された景色になる。
その城壁の最高点であるミンチェタ要塞が、旧市街の景色を上から眺めるにはベストの場所だと思う。
北に切り立ったスルジ山をひかえて、南にアドリア海を臨むという絶好の立地である上に、この城壁は見るからに堅固で、攻める立場からすると、弓矢や鉄砲ではどうにも陥とす気力が出ないだろうと思う。
 
それでも、空からは無防備で、ユーゴスラヴィア内戦の時には、セルビア軍の爆撃で、街の大部分が破壊されてしまったらしい。
破壊された瓦は、その後、修復がおこなわれているので、古いものから新しいものまで、様々な年代のものが混在しているのがわかる。
夕暮れ時の景色も美しい。
西に沈む陽に染まった景色を見るには、西側から旧市街を一望出来る場所がベストポイントになる。
 
ちょうどいい具合に旧市街の西の、海に少し突き出た半島の上にロブリェナッツという要塞が建っていた。ここに行くには、とても細い曲がりくねった路地の道を探るようにして進み、「KEEP OFF」の看板を乗り越えて、崖沿いに作られた階段をひたすら登ってようやくたどり着く。これほど景色がいいロケーションにもかかわらず、他には誰もいなかった。