デッドライン仕事術(吉越浩一郎/祥伝社)
トリンプ前社長の吉越浩一郎氏の、仕事の思想をまとめた本。
内容の中で、面白いと思ったのは、
・仕事には必ず期限をつける。基本は明日まで。
・大勢で話し合いをしながら決めるよりも、能力のある一人に権限を与えて任せたほうがうまくいく。
・ビジネスは運に左右されるところもあるが、運ではない部分を100パーセントやりきることが重要。
というところ。
【名言】
働く「時間」を固定し、すべての作業に明確なデッドラインをつけ、「今やるべきこと」だけに集中する。それによって仕事の効率は上がるわけだが、このとき、それ以前と比べてもっとも削られている「無駄」は何だろうか。
それは、おそらく「迷っている時間」だろう。(p.72)
私のことを「ワンマン」と呼ぶ人は、ワンマンの何たるかをまったく理解していない。情報を隠すのがワンマン経営者のやり方だが、私の場合はあらゆる情報をオープンにして、社員と共有していた。そんなワンマン社長がこの世に存在していたら、私に教えてほしいぐらいである。(p.80)
人事ではよく「適材適所を心掛けるべきだ」などと言うが、現実には、仕事のできる人間は何をやらせてもできるし、できない人間には何をやらせてもできない。(p.130)
三人寄れば文殊の知恵という言葉もあるので、一人で考えるよりも大勢で話し合ったほうが、より良い解決策が見つかるはずだと思う人も多いだろう。だからこそ、ほとんどの会議が「話し合いの場」になっているわけだ。
だが、それは嘘だと私は思っている。仕事というのは、基本的に「個人の営み」だからだ。その案件の当事者に権限と責任を与えて、とことん考えさせるのが一番だろう。(p.154)
ビジネスには、運に左右されるところが一割か二割はある。しかし、だからといって、「本気で仕事をしようがしまいが、成功するときには成功するし、失敗するときは失敗する」ということにはならない。運に左右される部分があるからこそ、自分たちの力でやれる八割から九割の部分については、100パーセントやりきっておくことが大切なのだ。自分たちで潰せる問題をすべて潰しておけば、それ以外のところで不運に見舞われておかしな方向に行ってしまったとしても、何とかリカバリーすることができる。(p.167)