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登場人物の緻密な描写
ものすごく丁寧に、細かく作られている、素晴らしい作品だった。
キャラクターの作り込みが、一人一人について深く掘り下げられていて、一冊一冊の密度がすごく濃い。
その熱量が、本当に半端なものではなくて、人物の描き込みだけではなく、コミックのカバーを外したところにあるオマケだとか、あとがきの隅々まで気が行き届いている感じで、作者の、この作品への愛着のほどがよく伝わってくる。前作「G戦場ヘヴンズドア」の登場人物が微妙にあらわれるところも、面白い。
バレーボールを題材に描いても、ただのスポ根マンガでは終わらない、日本橋ヨヲコ氏独特のテイストと、切り絵のようにコントラストの強い絵は、人によって好みは分かれるところだと思うけれど、ハマる場合にはものすごくハマってしまう強烈な個性がある作品だと思う。
これだけ一人一人の設定が細かく出来ていると、誰が読んでも、誰かしら共感出来るキャラクターが見つかるだろうと思う。「ショムニ」(マンガ版)の「カナさん」に似た雰囲気の、犬神キャプテンが特にいい。
2016年4月時点で12巻まで刊行済み。
【名場面】
生き方が雑だな
生きている意味が全て噛み合うその瞬間を味わいたいのなら
丁寧に生きろ(1巻p.148)ボールが手から離れた瞬間、練にはわかった
多分、自分はこの球に反応できない
それは練にとって生まれて初めての感覚だった(2巻p.30)周りはほぼバレーで挫折経験のある曲者ばかり
ひとり初心者が入るだけで部員の内面が炙り出される
いわば踏み絵のようなものだな(2巻p.56)
特別な人間なんていねんだよ
そいつが何をやってきたかが特別なだけだ(4巻p.41)
「・・模型作りってさ、私の中ではバレーと遠からずなんだよ」
「そうか、練さんは才能じゃないとこでもこういう考え方ができるからプレーが突出してるんだ・・」(4巻p.51)
あーー、かにかー
苦手なんだよねー、アレむくの(5巻p.114)
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