20世紀少年 1~22巻(浦沢直樹/小学館)
21世紀少年 上下巻(浦沢直樹/小学館)
「MONSTER」と同じパターンの構成で、この先どうなるんだろう、という期待を持たせるのは上手いのだけれど、「本当にこれ、オチあるんだろうか・・」という不安を常にかきたてる。だから今回は、「続きがしばらく読めない」というフラストレーションを避けるために、リアルタイムで読むのではなく、話しが完結してからまとめて読むことにした。
「20世紀少年」が全22巻、「21世紀少年」が上下巻で2巻の、合わせて24巻。最後の2冊を別タイトルにして区別したところは、とてもセンスがいい。
まとめて読んだので、なんとかストーリーにもついていけたけれど、これをもし、途中何ヶ月か空けながら細切れに読んでいたら、最初の頃の登場人物なんかは完全に忘れてしまっていたに違いないと思った。
話しは、かなりいきあたりばったりに書いている感じでありながら、意外に辻褄があっている。でも、後からどんどん、少年時代のエピソードが追加されていって、どのようにでもストーリーを変えられるという、いわば「後だしジャンケン」みたいなことになっているので、これじゃ何でもありだな、という気がする。
60年代の時代背景や、色々なマンガのキャラクターを寄せ集めて作ったコラージュのような作り方をしていて、ほとんど全編がパロディーになっていて、それは意図的にやっていることではあるんだろうけれど、節操もオリジナリティーもない作り方だと思った。