闇金ウシジマくん 16巻

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闇金ウシジマくん 16巻(真鍋昌平/小学館)

原宿を舞台にした新章がスタート。このマンガは、やっぱりすごい。
フィクションであることはわかっていても、何か、どうしようもなく暗く寂しい闇を突きつけられているような気分になる。それでいて、ユーモラスな雰囲気の中に希望を見せられたりもする。
今回の章は、推理小説風に、時系列を変えて最初に謎を提示するような構成になっていて、キミノリがどう絡んでくるのか、続きがものすごく気になる。読み返した時、話しの冒頭の部分で、コマの端っこに、布に包まれた弁当箱がさりげなく描かれているのに気づいて、ストーリーをいきあたりばったりで作っているのではなくて、最初にきっちりと固めた上で描き始めているんだと思った。
東京の風景の描き方がいい。
見れば誰でもわかるような名所やキレイなスポットを描くのではなく、路地裏の何の変哲もない風景を描いているのに、それが一番、東京という都市の真の姿を表現しているような感じがする。
何もない青空が描かれることも多くて、それと、街中の細かいゴチャゴチャとした景色との対照も好きだ。
【名言】
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「俺はなンもねェ!同級生が大学卒業する22歳までに、俺は何者かになりてーンだ!
若くてキレイな女に金持ちも有名人も群がってくる。金持ちと有名人と仲良くなれば旨い話にありつける。
なんの取り柄もねェーオレのサクセスはそれしかねェーんだ!」(第2話)
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「スゲェ。スゲェ。オーラ出てる。
あんなふうになりてェ・・こんな、隅っこじゃなく・・中心になりてェ・・」(第5話)