『大切なことだけやりなさい』【ブライアン・トレーシー】重要でないことを減らす

taisetsuna
『大切なことだけやりなさい』(ブライアン・トレーシー/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

この本のエッセンスをまとめると、次のような内容だった。

・自分の人生にとって最も重要なことに一点集中して、それ以外のことをすべて切り捨てる。

・自分が身につけたい習慣は、それが歯磨きのように当たり前の習慣になるまで、しつこく繰り返すべき。最初は難しく、だんだん易しくなっていく。

・欲しいものを明確にして、それをひたすらに求め続けるのであれば、たいがいのものは手に入る。

この本の原題『FOCAL POINT』というタイトルからもわかるように、「重要なことに一点集中」というのがキーフレーズだ。
自分が今後の人生で大事にしたいと思っていることだったので、そのフレーズが目に入った瞬間に、この本を読むことに決めた。

『エッセンシャル思考』の中核とも言える考え方だ。

若い時には、自分の特性を知る意味でも、何にでも手を伸ばして、いろいろなことをやるのも良いと思うのだけれど、30代40代になっても自分にとって重要なことがわかっていないというのは、情けないことだ。

わかっていないから、欲張って、何にでも手を出そうとする。

そして、とくに重要だと思ったのは、
「あなたが望む習慣をすでに身につけているかのようにふるまい、何度もその行為を繰り返したとき、あなたのなかにその行為とぴったり一致する習慣が形成される」
ということだ。

この本と同時に読んでいた『運の方程式』という本にも、ほとんど同じ内容のことが書いてあった。

アメリカでは、
「うまくいくまで、うまくいっているふりをせよ(Fake it till you make it.)」
という言い回しで語られているという。

名言

人生の質を高めるためにできることには、本質的には四つの方法しかない。
(1)重要なことを増やす。
あなたにとって、より大切なことや意味が感じられることには、それにかける時間や行動を増やして、より力を入れればよい。そうすれば、あなたはより大きな報酬や満足感を得ることができるようになる。
(2)重要でないことを減らす
(3)新しいことを始める
(4)あることを完全にやめる(p.22)

あなたの生活をシンプルにするには、どんな習慣や言動を実践するといいだろう?
たぶん、いちばん身につけやすい習慣は、あなたの価値観や目標と一致しないことをするよう求められたときに「ノー」と言うことである。
「ノー」の一言こそ、もっとも力を発揮する言葉だ。あなたの時間を有効に使えない要求や頼みには、とにかく「ノー」と言おう。そして、あなたの価値観と一致し、心から打ち込める要求に「イエス」と言えばいいのだ。(p.92)

成功とは、達成したいと熱望するものに、あなたの持てるすべての力を集中することである。-ウィルファード・A・ピーターソン(作家)(p.97)

「原因と結果の法則」においてもっとも効果的なのは、「あなたは、いつも考えているとおりの人になる」という考え方である。(p.104)

ペンシルヴァニア大学のマーティン・セリグマンが発見したのは「成功者は楽天主義(オプティミズム)という素質を持っている」ということだった。成功する人は、それ以外の一般の人よりもかなり楽観的なのである。
あなたがどのくらい楽観的なのかで、あなた自身がどのくらい幸せで、健康で、裕福で、長生きをするかをぴたりと予言できる。(p.105)

ゴール設定の鍵は、紙に書いて考えることにある。成功者は手にペンを持って考えるが、成功を知らない人はペンを持って明確に考えていない。(p.113)

「あなたが望む習慣をすでに身につけているかのようにふるまい、何度もその行為を繰り返したとき、あなたのなかにその行為とぴったり一致する習慣が形成される」
あなたがやらなければならないのは、大切な価値観と一致する行動を選んで、それを習慣として身につけることだ。そして、呼吸をするのと同じくらい自然に感じられるようになるまで、毎日その行動を繰り返すことである。(p.166)

望みが明確であるほど、すみやかに実生活でそれを実現できる。幸せな人は、自分がなりたいもの、手に入れたいもの、やりたいことが何なのかを考えることに、充分な時間をかける。(p.175)

毎日毎時間、自制心を鍛えなければならない。正しいこと、必要なこと、大切なことをするよう、自分に命令を出さなければならない。さもなければ、おもしろいことや、簡単なこと、重要ではないことをこなすだけで終わるだろう。(p.230)

あなたが尋ねなければならない質問は、たったひとつである。
「わたしはどれほど切実にそれを欲しがっているだろうか」
本当に欲しいものがあって、それを求めつづけるのなら、必ずそれは手に入れられる。(p.243)