アリス・イン・ワンダーランド

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すごく良かった。
ストーリーは単純なんだけれど、その部分はどうでもいい。物語を楽しむのなら小説でもよくて、映画であるからには、こういう、徹底的にビジュアルにこだわっている作品が好きだ。
「不思議の国のアリス」を下地にしながらも、それを翻案して、独自の解釈で徹底的に再構成をした、この世界観。
現実を忘れさせるぐらい異次元な風景でありながら、それが行き過ぎではなく、とても心地いいさじ加減だったのだと思う。
赤の女王のクレイジーさは言うまでもなく、善玉キャラである白の女王まで含めて、登場キャラ全員が変人であるというのも良かった。特に好きだったのは、チェシャ猫とアブソレム(青い芋虫)。
写真で観ると、ジョニー・デップ扮するマッドハッターは、あまりの変装と厚化粧でいったい誰なんだか判らない。しかし、実際にスクリーンで、その動きを観ると、明らかにジョニー・デップの色が出ている。
その、表情と目の動きだけで伝わってくるマッドハッターの感情表現たるや、これはものすごい表現力なんだと思った。
「ファッターワッケン」という、最後の方でほんの一瞬だけ見せる、謎の踊りも最高だった。
【名言】
You’re mad, bonkers. Off your head.
But I’ll tell you a secret. All the best people are.
「お前は狂っている。でも、偉大な人はみんなそうだ」
(父からアリスへ、アリスからマッドハッターへ)
Perhaps I will see you in another life.
「また、別の世界で会えるかもしれない」(アブソレム)
(She was) hardly Alice.
Now, almost Alice.
「ほとんどアリスではなかった。
いまはむしろ、ほとんどアリスだ。」(アブソレム)