花に染む


花に染む 1巻(くらもちふさこ/集英社)

また新たに、くらもちふさこの挑戦的な作品が登場した。
タイトルは「駅から5分」の舞台となっている「花染町」から来ていて、位置づけ的には「駅から5分」のアナザーストーリーという作品であるらしい。
普通は、こういうスピンオフ的な物語は、読み切りの外伝という形で発表をするんじゃないかと思うのだけれど、独立した別タイトルで、しかも本編と同時に連載をしてしまうという斬新さ。
「駅から5分」の世界だけでも、とても一度では把握し切れないだけの人間関係と時系列の複雑な相関があったというのに、そこに、さらに別のもうひとつの世界をぶつけてくるというのは、とんでもないことを思いつくものだと思う。
内容的にも、それぞれの世界ではかなりテイストが異なっている。「駅から5分」の世界での多面性というのは、複数の人物からの視点の違いに主眼を置いたものであったけれども、この「花に染む」では、一人の人物の深層に潜る形で、物事の裏側に隠れた、目には見えない世界を描こうとしている。
新しい表現をひたすらに追求する、くらもちふさこの挑戦は、いったいどこまでの高みを目指していくのだろうかと思いを馳せつつ、この続きがどう進化していくのかが楽しみでしかたない。
【名言】
 
そんなもんじゃない
そんな感情だったら、とっくに諦めている
惚れてるんだ、人として(1巻p.170)

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