水晶堂

仕事が優秀で出世しているほど家庭では冴えない男たちの物語。「課長 島耕作」

time 2011/09/25


全17巻(コミック版)

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すべてにおいて完璧というわけではない島耕作

「部長」「ヤング」などの島耕作シリーズを読んだ後に、あらためて「課長島耕作」シリーズを読み返してみると、1巻だけはまだキャラクターが定着していなかったためか、ちょっと違和感があるものの、2巻以降は、シリーズを通してほとんどブレがない。
20年以上にわたる長編マンガなのに、絵柄もキャラクターも、これだけ安定しているというのはスゴイことだと思う。

この話しに出てくる男たちは、みんな、家庭という面では恵まれていない人ばかりだ。
仕事の面で優秀で出世をしているほど、家庭の面では不遇の状態で、愛人を囲ったり、離婚をしたり、ことごとく上手くいっていない。
島耕作にしても、家庭の話しになると、まったく冴えなくなってしまうし、一人娘にたいしても随分寂しい思いばかりをさせている。
この、すべてにおいて完璧というわけではない、仕事に偏ったキャラクターというところも、魅力の一つなのかもしれない。

これより後の「部長」以降のシリーズになると、舞台が国際的になって、だいぶ現場から遠ざかった場面が多くなってしまうので、やっぱり、この「課長」時代の話しのほうが活気があって、色々な出来事がめまぐるしく起こるし、面白いような気がする。
中盤の7巻あたりが、島耕作だけではなく、その周囲の色々な人々の、様々な形の人間模様が描かれていて、「課長島耕作」シリーズで一番面白い部分だと思う。

名場面


何に対しても誠実でいたい思うんは欲ばりやないやろか
うちは島はんとの事だけ真面目でいられるんやったら
他のことは大抵よろしいわ(5巻 p.57)


何て俺はバカなんだ・・
泣けてきた・・・
自分のバカさ加減に泣けてきた
(9巻p.130)


「家族が愛せない・・
女房にも子どもにも何の興味もない
そんなものクソクラエだ」
「お、おい、待てよ樫村・・」(11巻p.130)


今で言う3Kの仕事はバイトの学生がやることと相場が決まってたんだ
最近の若い連中は可哀想だよ
そういう仕事はみんな外国人労働者にまかせて
自分達はきれいで楽なバイトしかしない
それでトクした気分になっているかもしれないが・・
そんなことじゃ世の中にたくさんある大変な仕事の”痛み”がわからないよな(16巻p.106)

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プロフィール

清水 宣晶

清水 宣晶

スケジュール調整サービス「伝助」代表。
インタビューサイトの聞き手として、知人や、縁があってお会いした人たちに聞いたお話しを文章にまとめることをライフワークにしています。
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