ロサンゼルスの中で、様々な人がアクシデント的に出会い、お互いの人生が複雑にかかわっていくという、群像劇。その、人と人との衝突には、幸運な出会いもあれば、不運な出会いもある。
人種もバックグラウンドも思想も様々な人々が、普段は無関係に過ごしつつも、ひとたび縁を持てば、そこから予想もつかない化学変化が生じることもある。その反応次第によって、人の善い部分が現れることもあれば、悪しき部分が現れることもあり、それが何によって惹き起こされるのかは、当人にさえわからない。
こういう構成の物語はとても好きなのだけれど、この映画は、ちょっとデフォルメが激しすぎて、人の変化の度合いや、衝突の仕方が不自然な印象があった。
しかし、この不条理な感じも含めて、一歩先には何があるかわからない、人と人との縁というものの妙を実感させられる映画だと思う。