「朝30分」を続けなさい

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「朝30分」を続けなさい(古市幸雄/アスコム)

言っていることは「とにかく毎日、継続しなさい」ということで、その点、前著の「1日30分を続けなさい」とほとんど変わっていないばかりか、グレードダウンしている。付け加わったポイントは、「朝のほうが効率がいいから、朝やりなさい」ということなのだけれど、そのことの説得力がない。
何故継続したほうがいいのか、何故朝のほうがいいのか、ということについての筋の通った説明はなく、「成功している人はみんなそうしているから」という語り口だった。
「当たり前のことをバカにする人は成功しない」ということで、自著で当たり前のことを書いていることをむしろ当然というように、誇らしげに語っているのだけれど、それにしても、この本の内容では中身が薄い気がしてしまう。
勉強や仕事は朝型がいい、というのは常識のようにして語りつくされていることだけれども、いまだに、心底から納得させられるだけの説得力のある説明には出会っていない。この本を読んでも、まったく心に響くところがなく、残念だった。
ただ、この著者が、勉強において質よりも量を絶対的に重視していることは、とても共感できた点だった。
【名言】
「子どもといい関係を築くために大切なのは、子どもとの時間の質ではなく、時間の絶対量だ」という意味のことを世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者スティーブン・R・コヴィー博士は言っています。ですから、高価な外食や旅行などの子どもとの時間の質を追及するのではなく、子どもとの時間の量を確保するように努めています。勉強と同じのようで、やはり大切なのは質よりも量。(p.151)