リドリー・スコットとラッセル・クロウという、「グラディエーター」と同じ組み合わせに興味を惹かれて観た。ラッセル・クロウは、ローマ時代なら良かったのだけれど、現代が舞台だと、独特の味はあっても、あまりカッコよさは感じない。
そのライバル役である、デンゼル・ワシントンの行動力と冷静な判断力は、かなりよかった。かなり非道なこともやってはいるけれど、アメリカの麻薬取締官や米軍の汚職っぷりがヒドすぎて、まだ、ギャングのほうが筋が通ったことをしていると思える。ギャングものの映画というのは、ボスがカッコいいかどうかですべてが決まる。
かなり前置きが長かったということと、二人の主人公が出会うのが、かなり最後のほうということがあって、盛り上がりのないシーンがかなり長く続くところは、ちょっとツラい。
ベトナム戦争時代のブロンクス、ブルックリン、ハーレムあたりが舞台で、その時代を再現したと思われる映像は素晴らしかった。自分が住んでいたわけでもないのに、ノスタルジーを感じる。どこまで忠実に再現されているのかわからないけれど、本当に40年前に撮ったと思うような街並みだった。
■アメリカン・ギャングスター
出演: デンゼル・ワシントン, ラッセル・クロウ
監督: リドリー・スコット
(2008年)