村上式シンプル英語勉強法(村上憲郎/ダイヤモンド社)
英語の勉強法についての本は既に山ほど出ていて、もうメソッドとしてはとうに出尽くした感がある。それでもこの本に興味を惹かれたのは、著者が米国googleの副社長であるということと、それでいながら英語を勉強したのは30歳を過ぎてからだったというのが面白いと思ったからだ。
30歳を過ぎてから英語を勉強するというのは、相当実践的なやり方に焦点を絞って、余計なことをしないという割り切りが必要になる。その点、やはりこの著者は、かなり実際的な考え方をしているし、自分自身の経験と実績にもとづいているので、説得力がある。
この本で解説されている方法は、どれも、とても共感出来るものばかりだった。
特に、本当にその通りだろうと納得したのが、
・英文を読む時は、途中で後ろに戻らない
・単語を覚える時は、毎日10000語を眺める
という2つだった。
学問に王道なしというのは、語学についてこそ言えることで、「簡単に上達する」というようなフレーズを安易に使うノウハウ本はまったく信用出来ないのだけれど、この本は、きっちりと継続的な努力の必要性を述べた上で、どの点に力を集中するべきかを簡潔に語っていて、とても参考になる点が多かった。
【名言】
英文法に忠実に文章を分解して訳していくのではなく、文頭から英語のままで読む。そして英語のまま理解する。つまり「英語を読む」とは、英語を、英語のまま、「内容を英語で読む」ということなんです。(p.31)
英文の読み方についてのポイントは2つです。
1つは、パラグラフの先頭から読み始めたら、絶対に後ろへ戻らないということ。意味が分からなくても戻ってはダメ。そのまま読み進めます。(p.34)
極端なことばかり言うようですが、SとVさえ分かれば、英文は読めたと言って良い、ということにするのが村上式です。(p.56)