【要点メモ】「世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった 最高のがん治療」

ganchiryo
さまざまなインチキ医療情報がネット上に流れる中、その真贋の見分け方を知るための下地として読んでおくべき本と思った。

要点メモ

・保険が適用される治療(標準治療)が最高の治療。
厳密な検証のプロセスを通過して、その結果として効果が認められたものだけが、標準治療として承認されているため。(p.20)

・「マウスに投与したら効果があった」という宣伝文句を信用してはダメ。
それは、新薬の研究段階では、一番最初の入口で、そこまでいくのはまったく珍しくない。
新薬が標準治療として承認されるまでには15年かかり、承認される割合は1万に1つ(0.01%)だけ。(p.29)

・「標準治療」の元になっている英語「スタンダード」には、「標準的」というだけではなく、「全員が行うべき優れたもの」というニュアンスがある。(p.50)

・日本の標準治療の内容は、海外よりも承認が遅れているという認識を持っている人がいるが、最近では海外と日本の間での承認の遅れ(ドラッグ・ラグ)はほとんど解消されていて、2017年度は0.4年。(p.75)

・がんの標準治療は、国が地域ごとに指定したがん専門の病院である「がん診療連携拠点病院」で受けることができる。そういう病院ではない時は、標準治療が受けられるかどうかを確認する必要がある。(p.82)

・現在健康な人が、食生活を変えてがんになるリスクを下げることはできるが、一度がんになってしまった人が食生活を変えてもがんを治すことはできない。(p.111)

・がんの要因のうち、遺伝的な要素が関係するがんはごく一部で、遺伝子のコピーミスという偶発的な要因である割合がかなり多い。(p.146)

・がんを「怖いから放置する」ことに、いいことはない。(p.188)

・がんになるリスクを上げる食品は「加工肉・赤い肉(牛肉・豚肉)」と「塩分」(p.206)

・アルコールは、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化の病気については、少量であればリスクは下がるけれども、がんについては、少量でもリスクが上がることが明らかになっている。
最も健康によい飲酒量は「ゼロ」である。(p.217)

・運動は大腸がんと乳がんになるリスクを下げる。
最も運動しているグループは、最も運動していないグループに比べ、大腸がんになるリスクが27%低い。(p.220)