モーターサイクル・ダイアリーズ

モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]
おススメ映画として、マキにDVDをプレゼントしていただいた。ありがとう!
バイクで南米をめぐっている時の、風景が素晴らしい。南米の町や、高度の高そうな山や、マチュピチュの遺跡は、あまり観たことのない景色だったので、新鮮だった。映画を観る時は、今までみたことがない景色をどれだけみせてくれるのかというところは結構ポイントになるのだけれど、この作品は、とても良い眺めをみせてくれた。
この時はまだ、ゲバラは革命家としての活動にはまったく参加していない時期なので、伝記というよりも、旅の記録がメインになった、二人の大学生の青春映画のような雰囲気になっている。
とはいえ、旅の途中で出会う人や、それに対するゲバラの反応を見ていると、後のチェ・ゲバラに影響を与えたと思われる出来事やエピソードもところどころに出てきていて、そういうシーンからの変化を想像するのが面白い。
同じ時に同じ場所を旅したとしても、それを経験した人によって、感じるものや受け取るものは違うはずだけれど、やはりこの、南米をめぐる旅は、ゲバラという人の思想を形作るために必要不可欠のものだったんじゃないかと思った。
二人の主人公は、アルゼンチンから隣国のチリに入った時、「生まれて初めて国境を越えた」と言っていたけれど、1950年代というのはまだ、そのぐらい国を越えた移動というのが一般的じゃない時代なのだとしたら、一層、旅で感じる感動は大きいだろうと思う。しかも南米の場合、国が違っても、言葉が通じるというのはうらやましい。
作品前半のバイクで走る部分と、後半の徒歩で移動する部分では、テンポや雰囲気が全然違っていて、最初は「旅人」だった二人が、だんだんと旅先の土地に馴染んできて、「アルゼンチン」という一つの国から「南米」全体へと意識の幅が広がっていく様子がよくわかる。
川を渡るシーンと、最後のフライトのシーンは、特によかった。これは、その後のゲバラの行く末が気になる。公開中の映画も観てみようと思う。