今回ご紹介するのは『食べる投資』です。
著者の満尾正さんは、日本で初めてアンチエイジングの専門病院を開設し、米国先端医療学会唯一の、日本人医師です。
人生100年時代、という言葉をよく耳にするようになりました。
老後の心配として、お金や孤独の問題もあるでしょうが、最も大きなものは、健康ではないでしょうか。
この本のタイトルは「食べる投資」ですが、毎日の食事に気をつけて、病気を予防することは、将来ものすごく大きなリターンとなって返ってくる投資なのです。
現代型栄養失調
現代の日本人は、多くの人が栄養不足の状態です。
それを聴いて、「え?こんなに食べ物がたくさんある日本で栄養不足?」と驚くかもしれませんが、多くの人は、不必要なものは過剰に摂取しながら、必要な栄養素が不足した、現代型栄養失調に陥っています。
あなたが今、だるさや疲れを感じやすかったり、手足が冷えていたり、イライラしやすいということがあれば、それは体に必要な栄養が不足しているためかもしれません。
今回の動画では、この本の中で紹介されている、
パフォーマンスを最大化する「食べる投資」と、その逆に、避けるべき「食べない投資」について解説をしていきます。
まずは、「食べる投資」の10項目です。
投資1.毎日1パックの納豆を食べる
納豆には、腸内環境を整えるほか、感染症予防、ビタミンKによる骨の強化、動脈硬化の予防など、とても大きな効果があります。
投資2.食物繊維でメンタルを強化する
食物繊維にも腸内環境を整える効果があり、腸内細菌によって作られる、精神を安定させる働きをもつセロトニンは、メンタルヘルスに影響があります。
食物繊維を多く含む食べ物は、野菜や海藻類、きのこ類です。
投資3.タンパク質を考える
体調が優れないときは、その原因として、細胞が炎症を起こしていることがあります。
それを予防する物の代表は魚の油で、「オメガ3系脂肪酸」と呼ばれる、炎症を抑える脂肪酸が豊富に含まれています。
タンパク質をとるなら、魚を週に半分、そしてそれ以外で鶏、卵、豆を基本とするのがお勧めです。
投資4.「1日4色」の野菜で炎症を防ぐ
必要な野菜が足りているかどうかの判断は、量ではなく、色を目安にすると簡単です。
「赤、黄、橙、緑、紫、黒、白」の7色を意識して、この中から4色を、1日のうちに必ずとる、というルールを定めてください。
投資5.ココナッツオイルを常備する
ココナッツオイルは、ケトン体と呼ばれる物質に変化し、脳細胞を働かせる上で、非常に効率的なエネルギー源になります。
ただ、高温抽出されたものは、有害なトランス脂肪酸が混入するため、買う時には、低温抽出(コールドプレス)と書かれたものを選ぶように注意してください。
投資6.女性は鉄をチャージする
鉄は女性にとって不足しやすい栄養素で、足りないと冷えやめまい、イライラ、鬱を引き起こす原因になります。
鉄は、魚やレバーやほうれん草などに含まれますが、それだけでは補うことが難しい場合もあるので、サプリメントでの補充もお勧めです。
また、鉄を吸収しやすくするビタミンBもあわせて摂るようにします。
投資7.男性ホルモンを増強させる
男性ホルモンは20代から下降します。
何となくやる気が出ないような場合、男性ホルモンの原料となる「DHEA」の不足が考えられます。
DHEAのサプリは日本では販売されていませんが、代わりに、山芋や里いもなど、粘り気のあるイモ類から摂ることが可能です。
投資8.3つの栄養素をサプリでとる
ビタミンD、亜鉛、マグネシウムは、抗酸化に役立ちますが、食事では補いにくいため、サプリメントを活用することがお勧めです。
投資9.コーヒーとチョコレートでブレイク
え?甘いものを食べてもいいの?と思うかもしれませんが、コーヒーとチョコレートには、炎症を抑える作用があるなど、さまざまな健康効果があります。
ただし、チョコレートはカカオ70%以上のものを選ぶようにしてください。
投資10.入眠前にグリシンをとる
グリシンはホタテやエビに含まれる物質で、深部体温を下げて、寝付きをよくする効果があります。
ですが、寝る直前の食事は良くないので、寝る2~3時間前には食事を終わらせておきましょう。
ここまで、パフォーマンスを上げる食べ物についてお伝えをしてきましたが、それに対して、パフォーマンスを下げる、避けるべき食べ物11項目を見ていきます。
食べない投資1.「甘い飲料」は飲まない
砂糖入りの清涼飲料や、100%果汁のジュースなどは、無意識のうちに大量の糖分を摂取してしまいます。
今後、口にする飲み物は「水」か「お茶」か「コーヒー」の3択を基本とすることをお勧めします。
食べない投資2.糖度の高い「果物」「野菜」は避ける
最近の果物は品種改良で随分甘くなっています。
糖度の高いパイナップルやバナナ、桃などを避け、少量を楽しむようにしましょう。
食べない投資3.「白い主食」に別れを告げる
白米、パン、うどんは、精製の過程で、本来あるはずのビタミン、ミネラル、食物繊維を失った、ほぼ糖質の塊です。
これらを食べると、カロリーだけは得られますが、必要な栄養が得られず、体は栄養失調状態になります。
代わりに、玄米や雑穀米、ライ麦パン、全粒粉を使ったものを選びましょう。
食べない投資4.食べる時間に注意する
体のリズムに合わせるならば、朝食はあっさりしたものを軽く、午後は栄養たっぷりのものをしっかり食べてエネルギーを補充し、夜は空腹を感じない程度に軽めのものを少しとる、というのが正解です。
食べない投資5.トランス脂肪酸(植物油脂)
マーガリン、ショートニング、植物性油脂は、「食べるプラスチック」とも呼ばれ、悪玉コレステロールを上げます。
代わりに選ぶべき油は、ココナッツオイル、オリーブオイル、イワシなど青魚の油です。
食べない投資6.揚げ物など高温調理された食べ物
高温で調理された揚げ物や焼き物には「AGEs(終末糖化産物)」という物質が含まれており、体内の炎症の原因になります。
アンチエイジングの世界では、最強の老化促進物質とも言われています。
自分でメニューを選べる場合には、「焼く」より「茹でる」、「炒める」より「煮る」、「揚げる」より「蒸す」といった、より低温の調理法の料理を選ぶのがコツです。
食べない投資7.食品添加物
身近な添加物として、食パンに使用されている「プロピオン酸」は糖質代謝を撹乱し、肥満や糖尿病の原因になる可能性があります。
また、ビーフジャーキーなどの食肉加工品に使用されている「硝酸塩」を摂取している人は、そうでない人の3.5倍、そう病などの精神科疾患にかかりやすいという報告があります。
食べない投資8.有害金属をなるべく避ける
現代人は、生活の中で鉛や水銀などの有害金属に接触しやすいため、知らず知らずのうちに体内に蓄積されますが、完全に避けられるものではないので、たばこや、添加物の入った加工食品、柔軟剤などをなるべく避けましょう。
食べない投資9.過度な飲酒を卒業する
アルコールが体内で代謝されて生まれるアセトアルデヒドは、遺伝子に直接作用して発がんのリスクを高めます。
また、活性酸素を増やして炎症反応を起こしやすくし、細胞内のビタミンB6や葉酸などの有益な成分を減少させます。
食べない投資10.たばこを卒業する
たばこはたとえ1本でも、健康被害が高くなることが分かっており、さらに、骨格筋を損傷することも明らかにされました。
最近では、「普通のタバコはダメだけれど、電子タバコなら安全」と考えている人も多いですが、残念ながら、最新研究では、電子タバコのほうが更に危険性が高いことが指摘されています。
食べない投資11.ファスティングを習慣化する
最後の投資は、「食べることを休む」ということです。
短期間の絶食が、消化器官を修復させ、炎症の改善に働くことが明らかになっています。
お勧めは、休日に実践する「プチ断食」で、にんじんやトマトなどをミキサーにかけ、食事代わりに1日3回飲むというものです。
まとめ
ということで今回は、本の中から、パフォーマンスを最大化する「食べる投資」と、その逆に、避けるべき「食べない投資」について解説しました。
項目がたくさんあるので、全部を実行するのは難しいかもしれませんが、自分の食生活に取り入れられるものがあれば、少しずつ改善をしていくことで、将来の健康として返ってくると思います。
本の中では、具体的な食事のレシピも写真付きで掲載されていますので、興味を持った方は、ぜひ実際に読んでみてください。