Harry Potter and the Chamber of Secrets


Harry Potter and the Chamber of Secrets(J.K.Rowling/Bloomsbury)

ハリー・ポッターシリーズの2巻目。1巻と比べると、舞台設定や世界観の前置きが必要ない分、最初からスムーズに物語が進んで、内容はかなり濃くなっている。
今回の話は、1作目よりも更にミステリー的な雰囲気が濃くなっていて、ファンタジー小説というよりはミステリー小説に近い。ダークな感じだったけれど、その分、とても先の展開が気になる構成になっていて、謎解きの内容も良かった。
ハリー・ポッターシリーズは、全体の構想を細かく作り上げてから書き始めていると聞いたけれど、たしかに、「あの伏線はここで活きてくるのか」と感心するような点がいくつもある。
1作目では、ほんのちょっとしか触れられなかった、「ハグリッドが学校を追放された理由」や「ロンの家」が、後になって物語の主題と密接に関わってくるようになるところは、かなり面白い。
それと同じように、2作目の今作では名前しか出ていない「アズカバン」の牢獄が3作目で重要になってくる、という風につながりがあるので、すべてを読み終わった後にもう一度見返すと、色々な発見があるに違いないと思う。
【名言】
‘Not the greatest sorcerer in the world,’ said Harry, breathing fast. ‘Sorry to disappoint you, and all that, but the greatest wizard in the world is Albus Dumbledore. Everyone says so. Even when you were strong, you didn’t dare try and take over at Hogwarts.'(p.232)
‘Exactly,’ said Dubmledore, beaming once more. ‘Which makes you very different from Tom Riddle. It is our choices, Harry, that show what we truly are, far more than our abilities.'(p.245)