本当に頭がよくなる1分間勉強法


本当に頭がよくなる1分間勉強法(石井貴士/中経出版)

タイトルからして、とても突飛な勉強法を解説した本かと思っていたのだけれど、全然そうではなかった。この本で説明されている方法は極めてまっとうで、根拠もよくわかるし、何よりも、実際に誰でもやってみることが出来るという、画期的な内容だと思う。
この本は、世に氾濫している、安易なノウハウ本とは根本的に違う本だと思った。
インターネットで、簡単にあらゆる情報が検索出来る今、自分の頭の中にしっかりとストックされる本当の知識というのはむしろ身につきにくくなっているけれど、この本が語る勉強法というのは、自分自身の資産となる知識を定着させる方法という点で、王道を進んでいる。
著者の体験をもとにした失敗談や、勉強法を編みだすに至った経緯など、読者をやる気にさせる内容も色々と織り込まれていて、その書き方がとても上手い。現時点ですでに31万部を超えるベストセラーになっているようで、売れる本にはやはり売れるだけの理由があるのだと思った。
【名言】
2時間もかからずに、20の長文読解をしていたため、「長文問題が掲載されている問題集の発行スピードよりも、自分が問題集を消化するスピードのほうが速くなってしまったらどうしよう?」と本気で心配していたほどです。
母親に、参考書代を1万円せびっても、1週間くらいで消化してしまったため、「何か遊びに使っているのではないか?」と疑われたほどです。(p.69)
「短期記憶」で得た知識を、「長期記憶」に移していく。
その行為が勉強だと考えると、わかりやすいです。
1回覚えただけでは、1時間後には半分以上のことを忘れていても当然で、特別にあなたの記憶力が悪いというわけではないのです。(p.77)
通常、専門家になるのは、大学や大学院に通い、さらなる研究を重ねて知識を増やすというのが一般的だと思います。
確かに、具体的なデータを取ったり、得た知識を実践してモノにするという作業には、時間がかかります。
ですが、単純に知識レベルという観点では、その分野について、200冊以上の本を読んでいるくらいの知識があれば、専門家だと言っていいというのが相場です。(p.87)
英単語の場合は、目で見れば、1単語1秒でこなせます。
ですが、手で何度も書いて覚えると、1単語10秒近くはかかってしまうのです。
なので、手で書いて覚えるという習慣をなくして、目で覚える習慣を身につけるというのが、勉強を最速化する第一歩です。(p.100)
「1発のストレートで倒すのではなく、10発のジャブを当てる」このほうが、記憶には定着するのです。つまり、同じものを何回も繰り返し復習するのです。(p.120)
「本当に価値のある情報は、直感である」(アルバート・アインシュタイン)
という言葉にもあるように、「見開き2ページを1秒で見た瞬間に、直感でリーディングしてよみとれた情報」こそ、実は、もっとも価値ある情報なのです。(p.143)
そもそも、ページ全体を見ようとすると、ほとんどの人が文字を1文字、1文字見てしまうのです。
なぜかというと、「従来の読書法」のイメージが抜けないからです。
「本は読むものだ」とどこかで考えてしまうのです。
そこで、ついつい心の中で音読をしてしまって、ページをめくるのが遅くなってしまうのです。(p.180)
「1分間勉強法」は、正直なところ、究極の勉強法です。
これ以上に勉強を最速化した方法は、現段階では、私自身、知りません。(p.249)