ドキュメント高校中退


ドキュメント高校中退(青砥恭/筑摩書房)

地域の中の「底辺校」と言われる高校を中退した人々へのインタビューをもとに、その生活実態をまとめた本で、かなりショッキングな内容が多く集められている。
高校中退は、家庭環境や経済状況のような、本人の力によってはどうしようもない理由で、学校を辞めざるを得ない場合も多い。そして、高校を中退した途端に、たとえアルバイトという形ですら、仕事に就くこと自体が極端に難しくなる。
それでますます生活が苦しくなるという、負の連鎖のような状況にハマってしまうと、そこから抜け出すことは絶望的になってしまう。
どうすればいいという改善策が示されているわけではないので、なんだか衝撃を受けるばかりの内容なのだけれど、ドキュメンタリーとして、かなり詳しい取材がされている本だと思う。
【名言】
中退した若者たちの親もまた、貧困の中で育ってきた。日本の貧困は特定の階層に固定化している。日本社会は階層移動ができない社会になっているのである。階級社会の成立といって差し支えないのかもしれない。(p.230)