良かった。赤壁の戦いの場面は、映画ならではの迫力だと思う。戦場での、雨のような矢や火の玉が飛んできたり、船と船とのぶつかりあいのようなところの臨場感は、これはやっぱり他の監督には容易に真似出来ない水準のクオリティーなんだろうと思う。
PART Iと比べて、今回は何回も戦いがあるわけではなく、赤壁の戦い一本だったので、やたらと戦闘シーンばかりが続くということがなく、そのバランスも好みだった。
まったくと言っていいほど女性が無視されているか、人権を与えられていない「三国志演義」の世界とは違い、この映画では小喬と尚香がやたらと前面に出ていて、そこがかなり違いを感じる部分でもあり、新しさを感じるところでもあった。今作では、孔明よりもむしろこの二人の活躍のほうが目立っているので、だいぶ雰囲気が華やいだ感じがする。
曹操が殺されずに生き残るのは、史実がそうだから、ということなんだろうけれど、なんでそういうことになるのか、結局よくわからなかった。
細かく見てしまうと、ストーリー的には色々と「なんでそうなるのか」というところばかりなのだけれど、そんなことは気にせずに、映像美と雰囲気を楽しむべき映画なのだろうと思う。それだけでも、充分に面白い。
【なんでそうなるのかと思った所】
・なんで尚香は敵陣内で明らかに浮いてるのに誰も怪しまないのか
・なんで周瑜と、周瑜の使者が同じ布団で寝る必要があるのか
・なんで曹操は戦いの前に小喬と茶など飲む必要があるのか
・なんで戦場で尚香が孫叔財の死を悲しんでいる時、無事なのか
レッド・クリフ PART I(水晶堂)
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