カルカッソンヌ

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カルカッソンヌ(Carcassonne)は、フランス南部の、ややスペイン寄りの部分にある小さな街。
ディズニーランドよりもずっとディズニーランドっぽく、ロマンチック街道以上にロマンチックな場所だった。
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カルカッソンヌの名所は、世界遺産になっている「シテ」という城塞。
交通の要衝にあったために2500年前から砦が築かれて以降、ヨーロッパ最大の城塞となった。
二重の城壁に囲まれた城の中は、周りとは完全に隔絶された小さな異世界だ。あたり一帯を見晴らす高台の上にシテは建てられ、天空に浮かぶ街から地上を眺めているような気分になる。
シテの周りは広大な平野になっていて、いかにも攻めるに難く、守るに易い地形であり、ここが長い間重要な拠点となったこともうなずける。
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シテの中は、その大きさからすると、多すぎるくらいにたくさんのレストランやカフェがたくさんある。こういう、街中にある店の景色がとてもディズニーランドっぽいなあと思わせる一番の要素だと思う。
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ちょうどその日、カルカッソンヌの市街は、土曜の午前中に開かれるマルシェ(市場)で賑わっていて、中央広場にはたくさんの店が出ていた。
マルシェで、ベリーやチーズやアプリコットを少しずつ買って、近くのカフェのテラスに座って、コーヒーと一緒にブランチとして食べることにした。
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シテまでは、カルカッソンヌ駅から歩いて15分くらいのところにあり、その途中にある川沿いの景色も、緑の草と褐色の屋根と見事なコントラストを生み出していて、とても美しい。
最も不思議いっぱいだったのは、夏だというのに一面に雪が舞うような景色が見られたことだった。近くに行ってみると、その雪を作っているのは一本の大きな木だった。
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今までに見たことがないその木は、綿花のようにたくさんの綿をつけていて、それがひっきりなしに空に飛んでいっていた。
このカルカッソンヌは、大昔からいくつもの民族が入れ替わり、争いの中心となってきた場所なので、その多くの人々の魂が寄り集まって宙に舞っているのではないかと思わせるような、この上なく幻想的な風景だった。
不思議な木(動画/AVI形式/26.7MB)