『ロングゲーム』「すごい!最高!絶対にやる!」と感じなければ「ノー」と言う


(ドリー・クラーク /ディスカヴァー・トゥエンティワン)

人生はロングゲームである、という長期的な視点に立って、本当に重要なことにじっくりと取り組むべき、という内容。

この本の要点は、以下のようなこと。

・重要でないことは徹底的に排除して、スケジュールに空白をつくる。

・「すごい!最高!絶対にやる!」と感じなければ「ノー」と言う。

・人は「姿が見えなければ存在を忘れる」。ロングゲームをプレイするには、その過程で出会った素晴らしい人たちとのつながりを維持する必要がある。

・強い心でロングゲームをプレイするには、自分の中に自分の評価基準を持つことが大切。

「すごい!最高!絶対にやる!」と感じなければ「ノー」と言うのは、まさしく『エッセンシャル思考』の考え方と重なる。
これは、本当に大事なことだと思う。

ポイントは、70点とか80点とかの「まあまあやりたい」ぐらいに魅力的なことであっても、心を鬼にして断る、ということだ。

ビンの中に大小の石を詰めるには、まず大きな石から入れていかなければ、後からは入れられない、というのと同じイメージ。
まあまあ好き、程度のことを人生に入れていると、本当に大好きなものを入れる余地がなくなってしまう。

短期的な損得は気にしなくていい。目先にちょっとした楽しみに惑わされず、落ち着いて、自分にとって一番大事なことだけを見逃さないように集中していればいい。

名言

人生は何が起こるかわからない。今の決断が、どういう結果につながるかを予測できない。だが、自分にとって本当に大切なことなら、それでも可能性に賭けなければならない。(p.62)

参加を断った友人のパーティーの写真がSNSのタイムラインに流れてきたら、自分のいないところでみんなが楽しんでいるのを見て悲しくなるかもしれない。だが、その痛みが続くのもほんの数日だ。たしかに写真だけ見ればとても楽しそうだが、参加した人の人生が変わるようなすごいイベントだったわけでもない。
しかし、こんなふうに言いきれない状況もある。だからこそ、「もしこの話を断ったら、今から1年後に私は後悔するだろうか?」と自分に質問することが大切になる。(p.73)

人は「姿が見えなければ存在を忘れる」ものだ。しかし、ロングゲームをプレイするには、その過程で出会った素晴らしい人たちとのつながりを維持する必要がある。(p.192)

誰かがあなたを雇うかどうか決めるのは、あなたにコントロールできることではない。自分がどうにもできない要素だけで自分の価値を決めてはいけない。
目標を達成するまでの道は複数あったほうがいい。そうすれば、あなたの運命を勝手に決める門番から力を取り戻すことができる。(p.250)

「夢はなんでもいい。本を書きたい、起業したい、一人旅がしたい。でも、これだけははっきりしている。カレンダーに予定を書き込まなければ、それを実行することは絶対にない。やらなければいけないことは次から次へとやってくる。だから開始日を決めていない人は、そのたびに夢を先延ばしにすることになる。」(p.255)

長期の戦略で動いていると、結果が出るのはずっと先のことだ。そのため、他人からの承認を評価の基準にしている人は、その待ち時間に耐えられない。強い心でロングゲームをプレイするには、自分の中に自分の評価基準を持つことが大切だ。
「ほかの人からどう見られようと関係ない。自分はこれに賭けることに決めた。そのために必要な努力をする」と言えるようにならなければならない。(p.285)